ポエトリーアングル

詩やことばについてのさまざまなことがらを。

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2012年6月22日金曜日

詩のボクシング兵庫大会


6月17日に行われた「詩のボクシング兵庫大会」は「ワークショップ型」ということで、
前半は初めて参加する人たちを中心に、「詩のボクシング」とはどういうものかという話をしながら、参加者が朗読をしてその中から16人を決める。
後半はその16人で勝ち抜き戦を行い、優勝者を決める。というもの。

決勝トーナメントに進む16人を決めるのは、「日本朗読ボクシング協会(JRBA)」のコミッショナーである楠かつのりさん。
優劣だけではなく、朗読スタイルのバランスを考えながら、初心者には甘く、常連には厳しく、独断と偏見で選ばれるわけである。

一応ぼくも参加しましたが、16人には選ばれませんでした。
7年かな、もしかしたらそれ以上ぶりの詩のボクシングでしたが、
マイクの前での朗読は予想以上に緊張しました。そして残念でした。

勝ち抜き戦の勝敗は、観客が決めます。
青コーナー(先攻)、赤コーナー(後攻)の選手がそれぞれ3分の朗読を終えたあと、レフリーのかけ声とともに良かったと思うほうの色のうちわを上げます。
どちらの言葉が心に届いたか。これが判定の基準です。
感動した、面白かった、納得した。いろんな基準があるでしょう。でもそれは、人によって違いが出てきます。
自信を持って上げた判定が少数派だったり、迷いながら上げたものが多数派だったり、自分の思いがそのまま通らないのが面白いところです。

試合のほうは、笑わせる人、言葉を聴かせる人、共感させる人や、
3分に収まらなかった朗読、あっという間に終わった朗読など様々でした。
1回戦から好カードもあって、もっと聞きたいのにと思う人の敗退は残念でした。
幻想的な小説を読んでいるような津貫志帆さんの詩は、そのときだけ特別な空間を作り出しているようで魅力的でしたし、
シンガーだと言っていた文元大輔さんの詩も、詞と詩の間を上手く彷徨いながら、ときには芝居がかりながら、楽しいものでした。
決勝へ勝ち進んだのは、日常のつぶやきをテンポよく読んだ名前はまだなゐさんと、教師時代のエピソードをおもしろく大阪弁で語るきいこさん。
決勝戦は即興朗読対決で、お題は名前はまだなゐさんは「原子力発電」、きいこさんは「消費税」。
どちらも持ち味を発揮できずに、自滅度の高かった(でもそれが良かったとも思うのだが)名前はまだなゐさんが敗退。
優勝はきいこさん。以前に大阪大会でも優勝経験があるので、2度目のチャンピオンです。

団体戦もあって、これは3人で1チーム。
優勝したのは「みなみ家」。見並なおこさんと2人の娘さんのほのぼのとした朗読が好印象でした。
準優勝となった(といっても2チームしか出ていないのだが)高校の演劇部トリオ「アクターボーイズ」は高校生の日常を再現。ちょっとインパクトが足りない感じでした。

きいこさんとみなみ家、そしてアクターボーイズは、
10月27日に横浜で開催される全国大会に出場することになりました。
さらに言葉にミガキをかけて、優勝を狙って欲しいですね。



「詩のボクシング 兵庫大会」 2012.6.17          辻本真孝